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注意書き

 

承太郎にしこたま酒を飲まされて、花京院が漏らしています。

気をつけてください。

あと、お酒は二十歳になってから♡

ということで、二人は成人済みになっています。

 

 

 

 

 

どんな人間でも無防備になる瞬間というものが3つある。

 

1つは食事をするとき。

2つめはセックスのとき。

そして3つめが排泄をするとき。

 

おれはいつも隙のない花京院の、そんな姿が見たいと思っていた。

 

1つめの食事は、それこそ旅の最中から毎日のように見ていた。

彼が上品な仕草であの大きな口に食事を運び、咀嚼し、喉仏を上下させて嚥下する姿は、愛おしさを覚えると同時に、たまらなくおれの情欲を刺激する。

 

2つめのセックスに至るまでは、なかなか大変だった。

お互い童貞であったし、 男を受け入れるように出来ていない花京院の体を慣らす作業は、とても時間がかかった。

 

だから数々の試練を乗り越えて、ようやく挿入に至ったときは感動もひとしおであった。

まあ挿れた瞬間、未知の感覚に驚いた花京院によって腹を蹴飛ばされたのも、今となってはいい思い出である。

おれの下で顔を真っ赤にしながら喘ぐ花京院の姿は、この上なく甘美でいやらしく、おれはやっと彼が自分のものになったような気がして嬉しかった。

 

ただ3つめの排泄だけは、未だに見たことがない。

旅の最中に、敵からの襲撃に備えて団体行動をとっていたせいか、他のメンバーと連れションする機会はそこそこあったが、花京院とだけはただの一度も一緒にならなかった。

 

小さい頃、刑事コロンボが好きだったせいか、一度気になりだすともうどうしようもなく、おれは最近もっぱら、いかにして花京院のその瞬間を見るかということばかり考えていた。

 

ただ、連れションぐらいじゃあ物足りない。

出来ることなら限界まで尿意を我慢した花京院が、羞恥と屈辱に震えながらおれの前で漏らしてしまうところが見たい。

じわじわと脚の間に広がる生ぬるい水溜りの上で、彼はどんな顔をするのだろうか。

自分でもかなりの変態だと思うが、想像しただけでおれのペニスは硬く勃起してドクドクと脈打つのだった。

 

 

 

何としても花京院のそんな姿が見たくて、とうとうおれは、世界中の酒を片っ端から家に集め始めた。

やはりしこたま酒を飲ませ、前後不覚になるまで酔わせて、トイレまで歩けなくさせる作戦がいいだろう。

口当たりが良く、あまりアルコールが入ってないように感じられ、ついでに利尿効果のあるカクテルを調べて、おれは毎日試作作りに励むようになった。

 

「いったいどうしたんだい、承太郎。バーでも開くつもりなのかい」

 

急にありとあらゆる酒を集め始めたおれに向かって、花京院が訝しげにそう尋ねた。

 

「ああ、おめーだけの専用バーをな」

 

にやりと笑ってそう答えると、彼は目を丸くした。

 

「本気なのかい、冗談で言ったのに」

「おれはいつだって本気だぜ」

「そりゃあまた、何のために」

 

その質問に、おれは詰まった。

 

「…………外のバーに出かけて行って、他の奴におめーを狙われたら困る」

 

表情を変えずに、苦し紛れにそう言えば、彼はふうんと呟いて納得したらしかった。

普段から、独占欲が強いのを丸出しにしておいて助かった。

 

花京院はなんだか楽しそうに、

 

「それじゃあ、緑のカクテルを作ってくれよ。グラスホッパーとかさ」

 

とおれの横に並んで酒のボトルを眺め始めた。

おれはもちろん、とにっこり笑いながら、カクテルのレシピが書かれた本の中で度数の高いものばかりに、付箋をつけていった。

 

 

 

チャンスが訪れたのは、それからしばらく経った少し肌寒い日だった。

 

「何だか今日はお酒が飲みたい気分だな」

 

と花京院が言って、ちらりとこちらを見たので、おれは心の中でガッツポーズをした。

あまりの嬉しさににやけるのを我慢して、おれはこの日のために作っておいたメニューを彼の前に差し出した。

 

「なんでも好きなのを作ってやる」

 

といいつつ、こういう風にメニューを出されると、その中から選ばなければならないと思ってしまうのが、人間の心理である。

メニューにはついつい花京院が飲み過ぎてしまうように、レディキラーと呼ばれている飲みやすいが実は結構な度数のあるカクテルや、彼の好きそうな緑のカクテル、それにマラスキーノチェリーが添えられたものばかりを載せている。

 

花京院はぺらぺらとメニューをめくり、しばらく考え込んだ後に、これにする、とメニューを指差した。

 

「チェリーブロッサムか、わかった、ちょっと待ってろ」

 

おれは酒瓶が大量に並んだ棚からブランデーとチェリーブランデー、グレナデンシロップとレモンジュース、オレンジキュラソーを取り出し、よく冷えたシェーカーで手早く混ぜ合わせると、彼の前に差し出した。

 

「わあ、綺麗だねえ」

 

花京院はうっとりと紅色のカクテルを見つめ、そっと唇をつけた。

 

「フルーティーだけどまろやかな味だ」

 

おいしいと笑う花京院の、カクテルを飲み込むたびに上下する喉仏を見て、おれはひっそりと微笑んだ。

 

その後も花京院はゆっくりとしたペースではあったが、5杯ほどカクテルを飲み、今は舌の上で好物のチェリーを転がしていた。

レロレロ、と彼に舐めまわされ、唾液でつやつやと光るマラスキーノチェリーの赤色が目に痛い。

花京院の目の前には青い珊瑚礁という名の、海のようなエメラルドグリーンのカクテルが置かれているが、彼は先ほどからあまり口をつけていなかった。

 

「酔っちまったか?」

 

そう尋ねれば、彼は上機嫌にヘラヘラ笑いながらうん、と答えた。

 

「トイレいきたい」

 

花京院のその言葉に、おれは顔がにやけそうになるのを何とか我慢しなければならなかった。

よいしょ、と椅子から立ち上がった彼は、すぐに長い脚をもつれさせた。

 

「連れて行ってやる」

 

そう言って、おれは彼に気づかれないように、ローションのミニボトルをポケットにねじ込み、おぼつかない足取りで歩く花京院の腰を支えてやった。

 

二人でよたよたと廊下を進み、突き当たりでトイレのドアを開けようとした花京院を、おれは隣のバスルームへと押し込んだ。

 

「な、なに?じょーたろー、ぼく、トイレに」

 

いきたい、という言葉をおれはキスで飲み込んでしまう。

混乱しながらも、ばたばたと暴れる花京院を抑えつけ、素早く彼のズボンと下着を引っぺがす。

あらわになった彼の下腹は、いつもよりうっすらと膨らんでいて、外気にさらされたペニスがぴくりと震えた。

 

「ここで、しちまえよ」

 

と言えば花京院は驚いた顔でおれを見た。

 

「ど、どうして…」

 

さっきまで紅潮していた彼の顔がさっと青ざめる。

 

「おまえが、小便漏らすところが見てえ」

 

花京院は信じられない、というような顔で一瞬固まったが、すぐにスタンドを出して猛烈な抵抗を始めた。

ぐるぐるとおれに巻きつき、締め上げてくるハイエロファントをスタープラチナで引き剥がすのに手間取るうちに、彼は這うようにバスルームを抜け出て脱衣所へ向かう。

 

おれは仕方ねえな、とため息をついて時間を止めた。

ハイエロをずるずる引きずりながら、おれは彼の腰を引っ掴むとバスルームに引き戻し、鍵を閉める。

 

「!?」

 

いつの間にか浴室にいる自分に、花京院は困惑して恐ろしげにおれを見あげた。

 

「逃がさねえぜ」

 

おれは立てた膝の間に花京院を座らせ、膨らんだ腹をじわじわと押してやる。

ひぐ、と花京院は引きつった声を出して、ぶるぶると震えた。

 

「ひっ……ぃやだ、やだやだっ…はなせっ」

 

花京院は焦ったように自分のペニスの根元を握り、おれを引き離そうともがく。

しかし動けば動くほど、パンパンになった膀胱に響くのか、彼はだんだんと大人しくなった。

いつの間にかハイエロも姿を消している。

 

「やだ…やだ…みるなっ、みるなよ、ばか、ばか…」

 

尿意に耐える彼の顔が見たくて真上から覗き込むと、花京院は歯を食いしばって、大きな口の端からだらだらとよだれを垂らしていた。

はあはあ、と荒い息をこぼす腕の中の存在が愛おしく、おれは思わずかわいいな、と彼の耳に囁いていた。

 

「ひ、ひぃっ…」

 

おれの言葉に驚いたのか、ちょろ、と彼のペニスから温かな液体が漏れた。

その光景を見た瞬間、ゾクっとおれの背筋を快感が走り抜ける。

 

あの花京院が、清廉潔白で、汚い欲望など欠片も持っていないような顔をしている彼が、とうに成人を迎えた彼が、おれの脚の間で震えながら尿を漏らしている。

 

うそ、うそだ、と呟いて、花京院は泣きそうな顔で自分の下半身を見る。

彼のそこは、ぴくぴくと痙攣しながら、黄金色の水をとめどなく溢れさせていた。

じわじわ、と広がっていく生温い水溜りは、彼の下肢にとどまらず、おれのズボンまでもビシャビシャに濡らしていく。

 

「あ、あ、あ…ぅ、ううっ…ひっ、ぐ、ぅ…」

 

張り詰めた緊張が途切れたせいか、彼はぽろぽろと涙を零してぐずり始めた。

しばらくの間、浴室にじょろじょろという排尿の音と、花京院のすすり泣きと、興奮して荒いおれの呼吸音だけが響く。

だんだんと勢いをなくしていく水流に、おれはなんだか寂しくなってしまって、彼のペニスを掴むと強く扱いた。

 

「ひぎっ…さ、さわるなっ、やだっ、きたないからっ」

 

力なく抵抗する花京院に構わず、最後の一滴まで搾り取るようにそこを刺激してやる。

精液を吐き出す時と同じように、おれの手の動きに合わせてぴゅく、と温かな水が何度か迸り、そしてそれ以上は、どれほど擦りあげても何も出なかった。

しかし、だんだんと花京院の体がピンクに染まり、彼のペニスが上を向いていく。

 

「勃ってきたな」

 

と指摘しても、彼はもうおれを罵ることもせず、ひくりと肩を震わせただけだった。

ぐったりとおれに体をもたれかけ、花京院は虚ろな目で排水口に吸い込まれていく、ほのかにアンモニア臭のする黄色い液体を見ていた。

 

「…どうして、こんなこと、するんだい」

 

泣き腫らして、うさぎのように真っ赤に染まった瞳でおれをじっと見つめ、彼はそう聞いた。

 

「ひどいよ、ひどい…」

 

と、しゃくり上げる花京院をかき抱き、おれは彼の尻に硬くなったペニスを押し当てた。

すると驚いた彼がおれを振り返る。

 

「すまねえ、おめえが好きなんだ」

 

好きだから見てえんだ、何もかも、と花京院の耳に吹き込むと、彼は眉間にしわを寄せて困ったような顔をしたが、そろそろとおれに口付けてきた。

花京院に舌で応えながら、おれは重く肌にまとわりつくズボンと下着を脱衣所の方へ放り投げる。

 

シャワーで軽くお互いの下半身を流した後、おれは彼を立たせて浴室の壁に手をつかせ、柔らかい尻を割り開いてたらたらとローションを垂らした。

そのまま尻の狭間に何度か勃起したペニスを擦りつけると、ぬるぬるとした感触が気持ちいい。

 

毎日のようにおれを受け入れているせいか、期待にひくついている花京院の後孔に先端を押し当てれば、彼の方から腰を押し付けてくる。

 

「ずいぶん積極的だな」

 

そう声をかけると、花京院は舌ったらずに

 

「おさけのせい」

 

と拗ねたように答えた。

無防備にさらされた彼のうなじが、真っ赤に染まっているのが愛しい。

 

「そうだな、全部おれのせいだ」

 

すり、と真白な彼の尻を撫で、おれはゆっくりと自身を彼の中に埋め込んで行った。

 

「うっ…ん、ん、ふっ…ぅ、うあ…」

 

ローションの滑りを借りて、みちみちとペニスが飲み込まれていく。

挿入の衝撃に花京院は体を震わせ、深呼吸をしようと必死になっているので、おれは彼の前に手を回し、宥めるようにゆるく彼のペニスを扱いてやった。

 

「あ、あ…う、ぅん、ん…」

 

呼吸に合わせて後ろが弛緩した時を見計らい、奥へ奥へと腰を進める。

バスルームにいるからか、ぬちゅぬちゅとローションの泡立つ音がいつもより響く気がして、おれは目眩がした。

 

温かく、ぬるりとおれを包むやわらかい彼の粘膜は、極上の快楽を呼び起こす。

腰から下が溶けてなくなってしまいそうな、甘く切ない感覚におれはひとつ吐息を零した。

じっとしていられずに抽送の間隔を短くしていくと、花京院は顔を下げて、恥ずかしそうに小さく喘ぐ。

 

「声、出せよ…」

 

おら、と掌で軽く尻を叩くと、彼がひっと息を飲む。

手にしっとりと馴染む花京院の尻を楽しみながら、おれは狙って彼の弱いところをカリ首で引っかけてやった。

 

「あ、そこ、いやだっ、や、やあっ…」

 

くぅん、と犬のように鳴き、花京院はぎゅうとおれを締め付けた。

握り込んだ彼のペニスはたらたらと蜜を零し、膨らんでいる。

 

「あー…気持ちいい…花京院…」

 

恍惚と呟いて彼を揺さぶると、花京院は爪先で立つようにして浴室の壁に縋り付く。

おれは尻を弄んでいた手を、彼の腰に回して支えてやると、自身を根元まで花京院の中に押し込んだ。

 

「うああっ…ふ、かぃ、あ、ああっ、やら、じょ、たろっ…ひ、ひぃん…」

 

背を美しく反らせ、花京院は悲鳴をあげる。

思うさま彼を突きながら、まるで獣の交尾のようだとおれは思う。

 

激しい交接に酸素が足りなくて胸が痛い。

全身のどこもかしこも、じくじくと痺れてままならない。

だのに脳内麻薬が出ているのか、疲労が甘く心地よい。

なんだか笑い出してしまいそうな満たされた気持ちだ。

疲れているはずなのに体は軽く、花京院と2人でどこまでもいける気がする。

 

おれは花京院の名を呼び、少し無理のある体勢で彼とキスをした。

涙と唾液で顔をぐしゃぐしゃにしている花京院を、おれの形に作り変えてしまいたくて、めちゃくちゃに腰を振りながら、おれは彼のペニスを強く擦った。

ああ、とひときわ高く彼が叫び、びしゃびしゃと手に熱い奔流が打ち付けられる。

同時に強く収縮した彼の内壁にぞくりと背を震わせ、おれも彼の中に欲望を放った。

 

 

 

ぐったりと体を弛緩させた花京院を清潔なベッドに横たえると、彼はぎゅうとおれの頬をつねった。

顔を真っ赤にしておれを睨む彼の好きにさせていると、ばか、と花京院が呟く。

 

「じょうたろうのばか、へんたい、ばかばか」

 

いまだ少し呂律の怪しい彼は、獣のようにうーと唸っておれを威嚇した。

 

「悪かった、すまねえ、好きにしてくれ」

 

おれは彼の無防備な瞬間を余すところなく見ることができて、幸福だった。

殴りたいだけ殴れ、と腹を据えて彼の前に正座すると、花京院がのそりと動く気配がする。

ぎゅうと目を瞑り、衝撃に身構えると、唇に柔らかいものが触れた。

 

訝しく思って目を開けると、恥ずかしそうに俯いた花京院がいた。

 

「こんかいだけ、ゆるす」

 

彼はおれの目を見ずに、そっぽを向いてそう呟くと、布団の中へと隠れてしまう。

おれはにやける顔を必死で抑えながら、布団ごと彼を抱き込んでありがとな、と囁いた。

 

おしまい

 

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