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最近、承太郎がぼくに意地悪になった。主にベッドの上で。

 

まず、ぼくが「いや」と言ってもやめてくれなくなった。

これは何度もエッチするうちに、ぼくが本気で嫌がっていないことが彼にばれてしまったからだ。

恥ずかしいので感じていることを一生懸命隠していたのに、どうして承太郎に悟られてしまったんだろう。不思議だ。

 

次に、全然前を触ってくれなくなった。

ある時、性器に一度も触れずにぼくが絶頂を迎えたことがあったのだが、承太郎はそれがよっぽど嬉しかったようで、それからずっと触ってもらえてない。

その代わり、逃げられないように腕を掴まれたり、腰を抑えつけられて、ガンガン後ろを突かれるようになった。

それでぼくは毎回ひぃひぃ言いながらいわゆる「メスイキ」というものをさせられるようになった。

つまりぼくは為すすべもなく承太郎に犯されながら、一度も刺激を与えられていない半勃ちのペニスからだらだら少量の精液を垂れ流すという、非常に情けない絶頂しか与えられなくなった。

 

いくら毎回承太郎に抱かれているとはいえ、やはりぼくも男であるから、後ろでばかりイかされるのは辛い。

絶頂を迎えた後も、体が痺れるような甘くて気だるい余韻が延々と続くし、その間に何度も突き上げられると再びイってしまい、気持ちよすぎていっそ恐ろしくなってしまうほどの快楽が襲ってくる。

 

自分のペースを乱され、されるがまま追いつめられるのは悔しい。

そりゃあ承太郎だって、最終的には毎回ぼくに中出ししているから、その、気持ちいいのだろうとは思うのだが、なにぶん顔に出ないしもとから無口なので、どうしても余裕綽々に見え、彼にメスイキさせられるたび、ぼくのちっぽけなプライドはぐしゃぐしゃになってしまうのだ。

 

そこまで考えて自然とため息が出た。

やるせない気持ちを持て余し、ぼくはごろごろと承太郎のベッドの上を転がった。

 

「……」

 

目を閉じてすう、と息を吸い込むと、承太郎のにおいがする。

ぼくたちは毎日のように体を繋げているけど、大きなベッドを一つ置いているわけじゃあなくて、シングルベッドを二つ隙間なくくっつける方式をとっているので、一応個人のベッドというものがある。

ぼくはエッチで毎回のようにメスイキさせられるようになってから、承太郎がいない隙を見計らって、彼のベッドで思う存分別腹オナニーするのが日課になっていた。

 

今日もまた、休日だというのに仕事に駆り出された承太郎を見送った後、ぼくはいそいそと彼のベッドに寝そべり、サイドテーブルからローションを引っ掴むと、早速パジャマを下着ごと脱ぎ捨てた。

 

「あ……」

 

そっとペニスに触れると、そこはもう既に熱を持って張り詰めて、恍惚の瞬間を期待して震えていた。

承太郎に触れてもらえなくなってから、ぼくの性器は随分と我慢が効かなくなったように思う。

常に快楽に飢え、熱を求めて泣くそこは、笑ってしまうような微かな刺激にも大げさに反応してはしたなく勃ちあがり、少し擦ってやるだけですぐに先端から蜜を垂らしてしまうのだ。

 

「ふ……」

 

いつもおあずけを食らっている、可哀そうな性器を指でなぞる。

承太郎のものと違って、細くすんなりとしたラインを描くぼくのペニスは、ほんの少し触っただけで大きく膨れ、血液を集めてドクドクと脈打った。

 

「う、ぁ……っ」

 

指で作った輪の中にペニスを通し、思う存分扱きあげると思わず声が出た。

ぴん、と爪先に力が入り、背がのけぞる。気持ちよくて涙が滲む。

ずっと待ち焦がれていた刺激を与えられ、ぼくのペニスは嬉しそうにピクピク震えている。

しとどに零れ落ちる粘液が指を濡らし、抽送をスムーズにしていく。

 

「あ、あ…っ」

 

ぬるぬると先走りを塗り広げるように、亀頭を擦りあげるのは途方もなく気持ちよかった。

大した時間もたっていないのに、精液を吐きだしたくて、先端がパクパクといやらしく口をヒクつかせていた。

 

「ああっ、あ、あ、あ……っ」

 

ぎゅうう、と体に力が入る。毒のような熱が溜まり、絶頂の予感にどんどん腰が重くなる。

瞼の裏で光が明滅し、ぼくは安心する。

ああ、やっとイケる。久しぶりに思いきり射精できる。

 

その時だった、ガチャリと寝室のドアが開いたのは。

 

「すまん、花京院。サイフ忘れちまった。見なかった……か……」

 

焦ったように飛び込んできた承太郎の表情が、驚きに固まる。

ドアノブを握ったまま放たれた彼の台詞は、最後まで行き着く前に大きさを失って、ほとんど聞き取れなかった。

 

「ああ……っ」

 

驚愕に見開かれた承太郎の緑の目には、下半身に何も纏わず、屹立した性器を握りこんだ浅ましいぼくの姿が映されている。

頬を上気させ、だらしなく口を開け、恋人のベッドの上で、びゅるびゅるとペニスから白濁を飛び散らせているぼくの姿が。

 

終わった、と思った。絶対呆れられた。

こんないやらしい姿を見られて、生きていけない。どこかに消えてしまいたい。

 

「……」

 

承太郎は無言のままぬしぬし、と寝室に入ってくると、ベッドサイドからティッシュを何枚か取り、ショックで動けないぼくの後始末をし始めた。

 

「悪かった」

 

突然ぼそ、と承太郎が言った。

 

「お前が欲求不満だとは気づかず……今度からはお前がオナニーしなくていいように、おれが扱いてやるからな」

 

ん?とぼくは思った。情けなさに浮かんだ涙も、一瞬にして引っ込んだ。

何だかよくわからない方向に話が動いていた。

 

「とりあえず仕事から帰ってきたら、気絶するほどイカせてやるから。今からオナニー禁止な」

 

にこっと笑った承太郎に小指を取られ、指切りをさせられる。

全く理解できないうちに、額にキスをして承太郎は再び仕事に出かけて行った。

ぼくはというと何だか途端に疲れてしまって、ずるずるベッドに潜り込むとそこで意識を手放してしまった。

 

 

 

「花京院」

 

甘い声で名前を呼びながら体を揺り起こされ、目を開けると恋人がいた。

優しくキスされ、頭がぼうっとする。

目覚めたばかりで覚醒しきらず、ぼんやりしていると、承太郎が優しく笑う。

 

「もっとこまめに抜いてやらないと、駄目だったんだな……」

 

次からは、したくなったらすぐに言えよ、と囁かれるが、頭がふわふわしてよく理解できない。

何のことだいと聞き返そうとして、しかしすぐにキスで唇を塞がれた。

 

「ふ、あ……」

 

ぶるりと体を震わせると、がっしりと承太郎の腕に抱きこまれた。

と同時に下腹に甘い刺激が与えられる。

 

「あっ」

 

何、と思って下を見ると、承太郎の大きな手がぼくの脚の間に伸びていて、やわやわとぼくのペニスを擦っていた。

快楽にめっぽう弱いそこは、労わるような愛撫にもすぐに嬉しそうに頭をもたげ始めた。

 

「おれが苛めなくなってから、ずいぶん我慢が効かなくなったんじゃあねえか?」

 

くす、と承太郎が笑って、先端をリズミカルに握りこむ。

ぼくはそれだけで甲高い声を上げ、内腿を痙攣させた。

 

「ちょっと触っただけで、だらだら我慢汁零して……かわいいな」

 

ふっと急に承太郎がそこに息を吹きかけ、腰が跳ねる。

思わず射精しそうになったペニスの根元を、素早く承太郎が戒める。

 

「おいおい、こんなんでイっちまったら駄目だろ」

 

まだ二分も経ってねえ、そう言う承太郎はなんだかとても嬉しそうに見えた。

 

「あ……あ……」

 

ぼくはもう、それだけの刺激で何が何だかわからなくなって、とにかく精液を吐きだしたくて仕方がなかった。

出したい、出させて、と涙交じりに懇願し、刺激を求めてへこへこと腰を振る。

髪を振り乱し、我慢できずに後ろに指を入れて中を掻きまわし、もどかしく乳首を引っ掻きながら必死に承太郎に乞う。

 

「射精したい、精液出したいの……っ、イカせて、おねがい……っ」

 

ヒステリーを起こしたみたいに早くと急かせば、やれやれと承太郎が苦笑する。

 

「仕方ねえな」

 

オラ、イケよ。

乱暴な言葉なのに、ひどく繊細に耳元で囁かれ、突然ペニスを何度も強く扱かれる。

散々焦らされたぼくが、絶頂を迎えるには十分すぎる刺激だった。

 

「う、ぁあ、あっ、ああ〰〰〰〰っ」

 

一瞬、目の前が真っ白に染まった。

ゾクゾクと快楽が背筋を這い、甘い電流を流された部分が全て幸福な痺れに包まれた。

びくびく、と自分の意志とは関係なく下半身が勝手に痙攣し、ペニスから勢いよく白くどろりと濁った体液が放たれる。

 

ぞっとするような強烈な一瞬。

自分を形作る線が溶けてしまうような、息をするのも忘れてしまうような、あまりの快楽に怖くなって、ぼくは思わず承太郎の体に縋りついた。

 

「よしよし」

 

ひっ、ひっと整わない短い息を漏らすと、あやすように背を撫でられた。

目じりに浮かんだ涙を拭われ、鼻先にキスされる。

 

「もう一回出したいか?」

 

承太郎に優しく問われ、必死に首を横に降る。

自分でするときと全然違った。

オナニーなら少し間を置けば2回くらい全然平気だが、こんな強烈な射精は一回で十分だ。

 

「じゃあいつものエッチするか?」

 

こっちが物足りないだろう、そう言って承太郎の手がするりとぼくの尻を撫でる。

 

「あ……」

 

ずくり、と後ろが疼いた。

ぼくの欲張りな後孔が、確かな熱を求めてヒクついている。

 

「……」

 

ぎゅっと口を引き結んで、承太郎の首に手を回す。

既に完全に勃起した彼のペニスに、すりすりと尻を擦り付ければ、承太郎は機嫌よさそうに笑った。

 

「いい子だ」

 

かぷ、と耳を甘噛みされ、腰を担がれる。

すぐにぼくの中に熱が入り込んできて、あまりに嬉しくてぼくは叫んだ。

 

「あ、あっ、あつい、あ、ひ、ひんっ」

 

いいところを何度も擦りあげられて、体がガクガク慄く。

後ろがぎゅうぎゅう承太郎のペニスを締め付けていて、性器の形も脈打つ鼓動も、ぼくを焼き尽くす熱もありありと理解させられる。

 

「あーーっ、あ、あっ、すごい、あぁぁあっ」

 

ぬぽっ、ぬぽっ、と卑猥な音がひっきりなしに立ち、聴覚が犯される。

力の入らない指先で、必死に承太郎にしがみつけば、それに気づいた彼が逞しい腕でぼくの体を支えてくれる。

 

「花京院、気持ちいいか……?」

 

とろん、と夢見るような声で聞かれ、ああ、承太郎もちゃんと気持ちいいんだ、とぼくは安心する。

 

「ぅん、うんっ……すごい、きもちいっ、あ、あはっ……じょうたろに、いれてもらって、あ、あっ……すごく、うれしいの……っ」

 

じわじわとさっきとは違う、忍び寄るような快楽が迫ってきて、イク、と訴える。

大きな手にがっちりと腰を掴まれ、何度もペニスを抜き差しされて、ぼくはとうとう一滴も精液を出すことなく、女の子みたいにビクビク体を痙攣させて絶頂を迎えた。

 

「〰〰〰〰っ♡♡♡」

 

凄まじい快楽に、もはや声も出なかった。

びりびりと全身が痺れ、絞り上げるように後ろが大きく痙攣する。

目を開けていられず、ぎゅううと下腹に力だが入り、勝手に体が小さく丸まってしまう。

 

「……っ」

 

同時に息を詰めた承太郎が、ぼくの尻を鷲掴んで、中に精液を放つ。

逃げられぬようがっちり腰を固定され、勢いよく大量の熱を注がれ、ぼくは陸に打ち上げられた魚みたいに体を跳ねさせながら耐えるしかない。

 

「うあぁぁ……っ」

 

脈打つペニスから放たれた承太郎の遺伝子が奥に打ち付けられるたび、ぼくは溺れる、と思った。

ようやく全てを出し終えたらしい彼が、ゆっくりペニスを抜いた時、ぼくの腰はガクガク震え、少しも下半身に力が入らなかった。

 

カエルみたいに大きく足を開き、はあはあ息をついてベッドに横たわったぼくに、承太郎はひどく優しい声でお疲れさんと囁き、いとしげにぼくの頭を撫でた。


 

それからどうなったかというと、事態はますます悪化した。

 

癖がついてしまったのか、承太郎とのエッチのとき、ぼくはちょっと前立腺を突かれただけで何度もメスイキするようになっていた。

最中、ペニスには一切触れてもらえず、とうとうぼくの性器は半勃ちもしなくなり、くにゃりと力を失ったまま、栓を失ったみたいに承太郎の突き上げに合わせてダラダラ精液を垂れ流すようになった。

これがいわゆる「トコロテン」というやつなのかもしれない。

 

ぼくはエッチのたび、涙と涎で顔をぐしゃぐしゃにし、承太郎にもっともっとと強請るようになった。

メスイキのいいところは、コツさえ掴めば何回でも簡単に絶頂の恍惚を味わえることだ。

メスイキばかりさせられるうちに、ぼくは一回のエッチで何度もイクことの気持ちよさに味をしめてしまい、承太郎に遠慮なくガンガン突き上げてもらうことにハマってしまった。

承太郎に突かれている時間のうち、半分くらいの間、ぼくはイキっぱなしになっている気がする。

 

一度、目の前に鏡を置かれて抱かれたことがあったが、とても人様に見せられるものじゃあなかった。

淫蕩に蕩けた顔で、へにゃりとしたペニスからとろとろ精液を溢れさせ、ピストンのたびに嬉しそうに声をあげる自分の姿は凄まじかった。

 

そうしてもっと悪いことには、別腹オナニーがバレてから、散々犯されて力が入らなくなったときに、頼んでもいないのに承太郎にペニスを扱かれるようになった。

ぼくは抵抗もできず、為されるがまま彼の大きな手で巧みにペニスを刺激され、今度はパンパンにペニスを勃起させ、勢いよく精液を飛び散らせる。

ひどいときは、精巣が空っぽになるくらい何度もイカせられる。

メスイキとオスイキを1日に何度も味わわされ、ぼくの体は混乱して段々変になっていった。


 

ある日、いつものように抱き潰され、ぐったりとベッドに脚を投げ出しているぼくに、承太郎がこう言ってきた。

 

「花京院、久しぶりにオナニーしてみるか?」

 

ずっと禁止するのも可哀想だものな、今日くらいは自分でしてもいいぜ。

ほれ、と彼がぼくの手を取り、ペニスを握らせる。

ぼくは、度重なるメスイキにぼうっとした頭で、ああ、今日は自分のペースで思い切りオナニーができるのだ、とぼんやり理解した。

 

快楽に馬鹿になったぼくは、承太郎がじっとぼくを見ているのにも関わらず、恥ずかしげもなくごしごしと手を上下させる。

何度もメスイキさせられたものの、貪欲なぼくのペニスはすぐにガチガチに硬くなり、嬉しそうに先端からたらたら涎を垂らし始めた。

 

「う、あ……あ……」

 

だが、何かがいつもと違った。

気持ちいいことは気持ちいいのだが、いつまでたっても絶頂の予感すら見えなかった。

 

「あ、あ……じょうたろ……」

 

不安になって名を呼べば、承太郎がどうしたと聞き返してきた。

 

「な、なにか……おかしいんだ……あ、うぅん……全然、イケない……」

 

ずちゅずちゅ、と必死に強くペニスを扱いても、だらだら先走りが溢れるだけで、一向に絶頂に至らない。

 

「ね、ねえっ……じょうたろがして……っ、いつもみたいに、おねがいっ」

 

イキたい。彼に縋り付いて懇願すると、ぞっとするくらい美しく承太郎が微笑む。

 

「いいぜ、おれがイカせてやるよ」

 

ぎゅ、と慣れ親しんだ承太郎の手にペニスを握られ、ああ、とやっとぼくは気付く。

もうぼくはどうしようもないほどに、承太郎に溺れている。

 

「ああっ、あっ、あ、あっ」

 

しかしそんなことを考える余裕も、すぐにどこかへ消えてしまった。

分厚く大きい掌と骨張った無骨な指で性器を刺激され、気持ちよくて自然と声が上がる。

承太郎はその緑の目をキラキラ輝かせて、楽しそうにぼくの様子を観察している。

 

「ここ、好きだろう?いっぱい擦ってやるからな……」

 

ぐりぐり、と彼の親指に何度も先端を苛められて、ぼくは大きく体を震わせた。

 

「あ、はあっ、すき、そこすきっ、あ、ああっ、あっ」

 

彼の手にペニスを擦り付けるように腰を振れば、可愛いやつと耳元で囁かれた。

跡を付けるように首筋を吸われ、乳首を弄ばれ、ぼくは悲鳴をあげる。

 

「ああっ、も、だめ、でちゃう、あ、あっ、イク、じょうたろっ」

 

ぎゅう、と彼に抱きつくと、承太郎がそのタイミングを狙って強くペニスを握った。

ぼくの骨組みは甘く狂おしい、強烈な嵐に吹き飛ばされ、意識が真っ白に塗りつぶされるくらいの凄まじい快楽が襲ってくる。

ぼくは大きく口を開け、ガクガク体を痙攣させながら、彼の掌に勢いよく白濁を打ち付けた。

 

「は、はひ……」

 

どっと心地よい疲労が降ってきて、もう指一本動かせない。

ぐったりと力を抜くと、承太郎が優しくぼくを抱きしめ、愛してると囁く。

ぼくは自分の体も心も、承太郎にどっぷりとハマってしまったことをぼんやり感じながら、それでもこの心地よい愛に身を任せ、そっと目を閉じた。


 

「あっ、あっ、あ、ふあぁぁあっ」

 

ぐりぐりいいところを突かれ、ぼくのペニスはさっきからはしたなくトプトプと精液を漏らしている。

何度も絶頂に追い立てられ、胸も皮膚も性器も後孔もひどく敏感になっていて、今なら息を吹きかけられただけで再びイってしまいそうだ。

尻だけを高く上げ、さっきから四つん這いでガンガン腰を打ち付けられていたが、承太郎も限界が来たらしい。

跡がつくほど強く尻を掴まれ、びゅるびゅると熱が放たれる。

 

「あ……」

 

火傷しそうだ、とぼんやり思いながら、彼の長い射精が終わるのをじっと待つ。

息も絶え絶えにシーツを握って耐えていると、しばらくしてずるりと承太郎の雄が抜ける。

 

「花京院」

 

へなへなとベッドに崩折れたぼくを、承太郎が呼ぶ。

優しく抱き起こされ、上手にエッチができたご褒美のキスをもらっているうちに、ぼくのペニスがムクムクと勃ちあがってきた。

 

「……っ」

 

恥ずかしくてもじ、と膝をすり合わせるが、恥知らずのそこは期待に震え、どんどん角度を増していく。

ぼくはどうすることもできず、落ち着きなくうろうろと視線を彷徨わせ、何度か無意味に手を握ったり開いたりし、それから観念して承太郎、と恋人を呼んだ。

 

「……ぼくの、おちんちん、扱いてください……」

 

お願い、と震える声で懇願すれば、承太郎は嬉しそうに微笑んで、すぐにぼくの願いを叶えてくれた。

ぼくは全身を彼に委ねながら、ただひたすらに承太郎のことを好きだ、と思った。

 

おしまい

 

 

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