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あなたはいちやの承花で

【よこしまな想い / シーツにくるまって】

をお題にして140字SSを書いてください。

 

承太郎が早く帰ってこないのが悪いのだ、と言い訳をしながら、彼のベッドに寝転んだ。シーツに残った彼の香りを、逃さぬように肺に吸い込むと、いやらしいぼくの体はすぐに熱くなる。なんて浅ましいんだろう、この気持ちは。彼の名を呼び、己の手で自らを慰めるぼくは、発情した一匹の切ない獣だった。



 

あなたはいちやの承花で

【同じ布団の中 / いつもとは逆の立場で】

をお題にして140字SSを書いてください。

 

いつもならいいように揺さぶられ、瞳を潤ませて喘ぐのはぼくの方なのに、今日に限っては立場が逆転している。法皇の緑の触脚に絡めとられ、ベッドに縫い付けられた承太郎は、腹の上に乗ったぼくが腰を揺する度、感じ入った声を上げている。その伏せられた睫毛が、たまらなくセクシーだとぼくは思った。



 

あなたは承太郎で

【おそるおそる / 手をつないだまま】

をお題にして140字SSを書いてください。

 

ぐちゅ、と濡れた音がして、おれの性器が全て花京院の中に飲み込まれる。熱い粘膜に包まれる、今まで味わったことのない初めての感触に、ぞくぞくと背筋が震える。大丈夫か、とおそるおそる問えば、手を握っていてと彼が頼んできた。汗ばんだ彼の手は、おれよりずっと小さくて硝子みたいに繊細だった。



 

あなたはいちやの承花で

【たまらずに / そろそろいいかな】

をお題にして140字SSを書いてください。

 

花京院が赤い舌をのぞかせて唇を舐める。おれの上に跨り、後孔を自らの指で慣らしながら、彼はもどかしげに腰を揺らしている。そろそろいいかな、と花京院が尋ねてきた瞬間、ぷつんと理性の糸が切れる。驚く彼に構わず法皇の触脚を引きちぎり、おれは細い腰を鷲掴んでその熱い体の中に飛び込んでいた。



 

あなたはいちやの花京院で

【横たわり… / みだらな声で】

をお題にして140字SSを書いてください。

 

承太郎、とベッドに寝転んだままで恋人の名を呼ぶ。情事の後はいつも体が重だるい。体が甘く痺れ、未だに後ろに何か入っているような気さえする。お風呂まで運んでよ、と甘えた声を出せば、優しく抱き上げられる。躾の悪い猫みたいに、伸ばした手で彼の脚の間を撫で上げると、こらと首に噛み付かれた。



 

あなたはいちやの承花で

【これがいい / お風呂場で】

をお題にして140字SSを書いてください。

 

浴室で脚の間にシャワーをかけられる。その微細な刺激すら、先程散々貪り尽くされた体には、快楽の拷問のようだった。承太郎の指が後ろへ伸び、中に出された体液を掻き出そうとするのをやんわりと阻む。不思議そうにぼくを見上げる彼の、臍の下に手を伸ばす。ぼくはこれがいい。誘うように耳に囁いた。



 

あなたはいちやの承太郎で

【ゾクゾクする視線 / 気になるアイツ】

をお題にして140字SSを書いてください。

 

まただとおれは思う。熱い視線を感じて後ろを振り返ると、赤毛がびくりと跳ねた。最近ある男がよくおれを見ている。一つ下の学年で、花京院というらしい。物言いたげな視線をよこすくせに、近くに寄ってきたり、話しかける事もしない。恋に身を焦がす蛍のような目の男に、おれは興味を抱き始めている。



 

あなたはいちやの花京院で

【無邪気な笑顔で / シーツにくるまって】

をお題にして140字SSを書いてください。

 

カーテン越しに差し込む朝日に、低く唸って寝返りをうつと、シーツにくるまった花京院と目があった。おはようと無邪気に笑う彼の声は、情事のせいか掠れていておれをどきりとさせる。そうだ、昨日おれと彼は初めて番ったのだ。シーツから覗く彼の裸体にいくつも咲いた赤い花が、ひどく艶めいて見えた。



 

あなたはいちやの承花で

【だっこしたまま / もっと強く…】

をお題にして140字SSを書いてください。

 

後ろから抱きしめられたまま、体を揺さぶられて声が上がる。ベッドに寝そべった承太郎の上に、ぺったりと体をつけて繋がったぼくらは、まるでラッコみたいだ。ゆるゆると奥を突かれ、快楽が全身に波及する。海の上をたゆたっているように気持ちいい。顔を捻ってもっとと強請れば、優しいキスをされた。



 

あなたはいちやの花京院で

【繰り返される / 人に隠れて】

をお題にして140字SSを書いてください。

 

承太郎にキスされると途端に抗えなくなる。学校で、それぞれの家で、あるいは外で。人目を偲び繰り返される行為に、どこまでも溺れていく。今日は中に小さなローターを一日中入れられていた。尻の上には承太郎専用とマジックで書かれている。独占欲をむき出しにする彼に、ぼくは悦びを感じ始めている。

 

 

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