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※水○敬ランドパロディです。広い心で読んでください。

ぼくが住んでいる島は「承花島」といって、「空条承太郎」と「花京院典明」という二個体しか住んでいない不思議な島だ。この島には「承花ランド」という、『セックスへの罪悪感や嫌悪感を払拭し、生き物として本来の姿に立ち返って、まるで食事を楽しむようにみんなが安全で自由な性を楽しむことができる』ことをコンセプトとした、大人のための性の一大テーマパークがある。

 

ぼくは十八歳の「花京院典明」であるが、つい一カ月ほど前に高校を卒業し、ようやくこのテーマパークへの入場条件をクリアした。なかなか入園する勇気がなかったが、先日ぼくが通う大学でこのテーマパークへ行ったという勇者の話を聞き、ようやく行ってみようという決心がついたのだった。しかし、やはりちょっと怖いので、その友人についてきてもらうことにした。

 

「君は始めて行くんだものな、緊張しているのかい?」

 

まだ入園する前だというのに、既に露出の高い服装の友人は、週に一回は必ず「承花ランド」に足を運んでいるという。桃色のふわふわした前髪を揺らし、彼はぼくの強張った顔を心配そうに覗きこんでくる。

 

「だ、だって……」

 

「承花ランド」に向かうバスの中で、俯いて手を握り締めるぼくの背中を、励ますように友人は撫で、大丈夫だよと繰り返した。

 

「嫌だと思ったら嫌だと言えばいいんだ、許可なく何かされることはないよ」

 

それにしても君、タートルネックに長いズボンにコートなんて着て暑くないのかい、とタンクトップにホットパンツの友人は笑った。



 

そうして辿り着いた「承花ランド」は、星とチェリーとハートのモチーフがそこかしこにあしらわれている、ビビッドカラ―が目に眩しい広大なテーマパークであった。入口の所で簡単な健康チェックを済ませ、精液で汚れてもよい専用の衣装に着替えれば、そこはもう性の解放区である。

 

「うわあ……」

 

入口で借りた「花京院典明」用の防水性の衣装は、上は胸を少し隠すだけ、下はハート型の穴が開いていて尻は丸見えだった。隣の友人は脱ぐのが面倒だ、と言って上は何も身につけていなかった。そこでぼくは初めて、友人の乳首にプラチナのピアスが穿たれていることを知った。

 

「ああこれ?これ弄ってもらうと気持ちいいんだよ、君もやれば?」

 

ぶんぶん、と首を振れば、友人は気持ちいいのに、と残念そうに呟いた。しかしすぐに気を取り直すと、ぼくの手を引く。

 

「さ、行こう」

 

そうして一歩園内へ踏み込むと、すぐにむっと精液の匂いが香る。エントランスの横では、ベンチに座った「承太郎」の上に、銀髪の「花京院」が跨って腰を振っていた。雪のように白い小ぶりの尻の間に、赤黒いペニスが何度も出入りしていてぼくはぎょっとする。本当にここでは誰もが、何の恥じらいもなくセックスに溺れているんだ。

 

入口の所で既に気圧されて、隣の友人の手を握るも、彼は獣のように交わる承太郎と花京院を羨ましそうに眺めている。もうすぐにでもセックスがしたいという顔だ。普段、大学では優等生で通っている彼が、恍惚とした表情をしているのにぼくは驚いて、思わず目をそらしてしまった。

 

「ああ、ごめんごめん……びっくりさせたかな?君には刺激が強そうだから、初心者向けの所に行こうか」

 

こっちだよ、と案内してくれる友人に、入り口でこれならパークの中は一体どんなふうになってしまっているんだろう、とぼくは不安を強くした。



 

これが一番刺激が弱い奴だよ、と連れてこられたのは大きな迷路だった。

 

「一人ずつ入らないといけないから、一緒には行けないけど……迷路の中で、承太郎がアプローチしてくると思うから、いいなと思ったらえっちすればいいよ」

 

出口で待ち合わせしようね、何かあったら電話して、と言って友人は先に迷路の中に入って行った。入口で立っているだけで、中から聞こえてくる嬌声に頭がおかしくなりそうだ。

 

しばらくして、どうぞとスタッフに促されて、ぼくはおそるおそる一歩を踏み出した。道の上に点々と精液が零れていて、ブーツの下でにゅるりとした感触を残す。

 

「は、早く脱出しなきゃあ…」

 

壁に手を付き、零れている精液を辿りながら狭い通路を進んで行く。最初のうちは順調に進んでいたが、途中で行き止まりになってしまった。

 

「あっ……駄目か……」

 

仕方がないので戻ろうとして、振り返ると青い帽子に同じ色のコートを羽織っただけの承太郎が居た。

 

「あ、この先、行き止まりですよ……」

 

すぐ真後ろに迫っていた承太郎にびっくりしたが、何とかそう言ってぼくは彼の横をすり抜けようとした。すると、大きな腕がぼくの肩を掴む。

 

「おい待ちな……おれはおめーに用があるんだ」

 

ごり、とぼくの下腹に何か硬くて熱いものが押しつけられる。驚いて下を見ると、それは血管を浮かべてバキバキに勃起したペニスだった。

 

「え、あ……」

 

彼のペニスはだらだらと先端から蜜を零していて、そのあまりに卑猥な光景に、ぼくは思わずごくりと喉を鳴らした。

 

「さっき、迷路の途中でおめーを見かけて、悪いとは思ったが後をつけさせてもらった……」

 

おめーを抱きてえ、と耳元で囁かれて、かっと頬が熱くなる。欲に掠れた承太郎の低音は、ぼくの頭をぼうっとさせた。承太郎に明確に性欲を向けられているという事実に、下腹がきゅんと疼く。

 

「一目惚れってやつかな……なあ、いいか……」

 

すりすり、と長大なペニスを擦りつけられて、段々ぼくもおかしな気分になってきた。それもこれも承太郎の、欲情した緑の瞳があまりにもきらきらと美しく輝いているせいだ。

 

「う……あ、あの、えっと……その、ぼく、はじめてなので……」

 

やさしくしてください、と小さな声で告げれば、顔を上向かされて舌を絡める激しいキスをされた。酸素が足りず、苦しくて足をばたつかせると、ようやく唇が離れていく。

 

「……実はおれも、はじめてだ」

 

なるべく頑張るが大目に見てくれ、と言われて、ぼくは混乱した。はじめて?この雄の頂点に立ってます、というような男がはじめて?「承花ランド」に来ているのに?

 

ぐちゅぐちゅ、と剥き出しの尻に指を突っ込まれ、中を掻き回されて快楽で馬鹿にながら、ぼくはぼんやりとこの迷路が「初心者向け」と言われたことを思い出した。そうか、そうだよな……初心者じゃあしょうがない……

 

ぼくもなるべく彼が動きやすいように、腰の位置を調整してあげながら、喘ぎ声をあげた。最初は少し痛みもあったが、承太郎が途中で大体覚えたぜ、と言ってからは気持ち良すぎて、夢中になって叫んでいた。

 

「ああっ♡あっ♡あっ♡きもちっ♡しゅごい♡おしりきもちいっ♡」

「おい、あんまり、あおるんじゃあねえっ」

 

承太郎の首に腕を回し、行き止まりの壁に背を預けるようにして、ぼくは腰を振りたくった。はじめてだというのに、すぐに快感を拾える自分の体に、ぼくは少しびっくりした。えっちってこんなに気持ちいいんだ。しかし、奥の方が疼いて堪らない。ああ、指でこんなに気持ちいいのだから、承太郎のペニスを入れてもらったら、どんな風になっちゃうんだろう。

 

「花京院っ、もう、いれていいか……っ」

 

ぐる、と余裕なさそうに喉を鳴らす承太郎が愛しい。ふーふー息を荒げる彼のペニスは、ぼくの中に入りたくてびくびく震えてうずうずしていた。その事実にひどく興奮して、ぼくは自分でも刺激を得ようと、彼の逞しい太腿にペニスを擦りつけながら何度も頷いた。

 

「うん♡うんっ♡きみの、おちんちん♡ぼくのおしりにちょうだい♡」

 

はやく、と尻たぶを自分の手で開いて、片脚を大きく上げて、はくはくと痙攣するアナルを見せつけると、反り返ったペニスが一息に突き入れられた。

 

「あぁ〰〰〰〰っ♡」

 

ごちゅん、と彼のペニスが奥を突いたその瞬間、びゅるる、と勢いよくぼくのペニスから白濁が飛び散る。承太郎は凄まじい絶頂にガクガク震えるぼくには構わず、すぐにガンガン何度も突き上げてきた。

 

「あ〰〰〰〰っ♡あ〰〰〰〰っ♡しゅごい♡じょうたろの、おちんちん♡きもちいっ♡」

 

激しい律動に視界がぐらぐらし、目の前で何度も光がスパークする。下腹から次々に生まれる快楽に、どんどん溺れていく。ぼくは背を反らせて大きな声で喘いだ。

 

すごい。お尻の中をごりごり擦ってもらって、お腹の奥をずぽずぽ突いてもらうと、こんなに気持ちいいんだ。承太郎の熱く脈打つ逞しいペニスが、ぼくの中を作り替えていく。初めて味わう、暴力的な快楽にぼくは恍惚となった。

 

承太郎の方も切なげに眉を寄せて、荒い呼吸を繰り返しながら必死に腰を振っている。そんな余裕のない承太郎が可愛らしく、無性にキスがしたくなって、懸命に舌を伸ばすと彼がそれに応えてくれる。お互いの唾液を交換するような、ねっとりと濃厚な口づけを交わすと、堪らなく気持ちいい。

 

上も下も柔らかな粘膜を夢中で擦り合わせて、そうして得られる背筋がぞくぞく震えるような快感に、うっとりと酔いしれる。発情した獣のように、恥も外聞もなくセックスに溺れていると、焦ったように承太郎が舌打ちをした。

 

「くそっ、何なんだ、エロすぎるだろ……っ」

 

中に出すからな、と余裕のない声で告げられて、臍のあたりがきゅん、とする。承太郎が、これからぼくの中にいっぱい精液を出してくれる。熱くどろどろとした遺伝子を、たっぷり注いでくれる。期待にぼくの後孔はとろとろに溶け、嬉しくて我慢できずに淫らに腰をくねらせる。ぼくのなかでいっぱいだして、と切れ切れに強請れば、スパートをかけるようにピストンが激しくなった。

 

「あ〰〰っ♡あんっ♡あっ♡あっ♡しゅごい♡じょうたろの、おちんちん、ずぽずぽ、しゅごいぃ♡あっ♡あんっ♡も、らめっ♡イっちゃう♡イクイク♡あ〰〰っ♡」

 

ずん、と一際奥を突かれ、ぐぐーっと下腹に力が入る。それが限界を超えると今度は身体が勝手にガクガクと不規則に痙攣した。ぼくのペニスからは大量の精液が溢れ、後孔は承太郎のペニスを奥へ奥へと引き込むように蠢く。

 

「あ〰〰っ♡はあぁ〰〰っ♡しゅごい♡あついのでてる……っ♡」

 

きもちいい、とうっとり呟くと、承太郎が最後の一滴まで出し切るように、ぐりぐり腰を動かしてくる。奥をこじ開けるようなその動きを、絶頂で力の入らないぼくは、びくびく震えながら受け入れるしかない。

 

「あ〰〰っ♡らめ……♡もう、あるけない……♡」

 

生まれたての小鹿のように脚がガクガクと震え、全然立てそうにない。涙交じりにそう訴えると、承太郎は少し考え込んだ後、あろうことかぼくと繋がったままぬしぬし歩き出した。

 

「ひあっ♡なにっ♡だめ♡あるくのだめっ♡おく、ずんずん、する……っ♡」

 

やめて、と甘ったるい声でぼくが制止しても、承太郎は聞く耳を持たない。

 

「他の奴に取られたら困るからな……ハメたまま出るぜ」

 

しっかり掴まっておけ、と言われるもぼくはあんあん喘ぐのに忙しくて、結局返事はできずじまいだった。ずっぽりと彼のペニスを咥えこんだまま現れたぼくに、出口で待っていた友人がひどく驚いたのはまた別の話である。

 

おしまい

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