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今日くらい早く帰ったらどうだ、と研究室の同僚に促され、わたしは家路を急いだ。夏が近いのか、日が落ちてもまだ外はぽかぽかとあたたかい。ケーキでも買って行ってやろう、とわたしは小洒落た店に入り、モンブランとチェリータルトとミルフィーユを注文した。わたしと愛しい妻と、そしてもう一人の年若い夫の分である。

 

ただいま、と声をかけて玄関をくぐると、妻の可愛らしい嬌声が聞こえてきた。ぬしぬし、と足音を立てて帰ってきたことをさりげなくアピールしつつ、リビングの扉を開けると、ソファの上で妻がもう一人の夫に抱かれていた。

 

「あっ、ひ、あっ、お、おかえりなさいっ、あん、あっ」

「ああ、おかえり」

 

悪いがもうちっとばかしかかるぜ、と花京院を自分の上に座らせて後ろから犯す男が、荒い呼吸の合間に詫びてくる。わたしはかまわない、と二人に微笑みかけて、汗で額に張り付いた妻の前髪を払ってやった。

 

「じょうたろ、ごめんなさいっ、あ、ひっ、まだ、ごはんのしたく、できてなくて……っ」

 

愛しい花京院は、桜色の乳首を痛いくらい勃起させ、踊るように腰を跳ねさせていた。下から突き上げられるたび、振り子のように彼の性器が愛らしく揺れ、先走りを撒き散らしている。

 

「別に気にしなくていい……あとで、何か出前でもとろう」

 

それよりえっちに集中しないとダメだろう、と言えば、花京院は真っ赤な顔でうん、うん、と何度か頷いた。若い夫の激しいピストンを、妻は恍惚とした表情で受け入れ、細い腰をくねらせる。わたしは興奮を抑えられず、交ざっていいか、ともう一人の夫に問いかけた。

 

「ああ、かまわねえぜ」

 

さっきからずっとやってるから、もう一本くらい入るぜ、と承太郎は自身を咥え込ませた花京院の後孔の縁に指をかけると、ぐい、と左右に広げてみせた。摩擦でぷくりといやらしく膨らんだ妻のそこは、ひくひくと蠢いてわたしを誘う。

 

「えっ、やだ、うそだ、だめ、いれちゃだめっ、むりっ、ふたりもはいらないっ」

 

こわれちゃう、とそれまでうっとりと快楽に浸っていた花京院が、突然子供みたいに駄々をこね始める。毎日毎日わたし達に可愛がられてきた秘蕾は、処女のときのあの慎ましさが思い出せないくらい、人妻らしく縦に割れていやらしく変化していた。確かにきついかもしれないが、二人くらい飲み込めるだろう、とわたしは思った。

 

「花京院、わがままいうんじゃあない。おまえはわたしたちの妻なんだから」

 

できるだろう、とアヌスの縁をなぞると、花京院はひぐ、と喉を鳴らす。承太郎の指でめいっぱい広げられたそこは、さっきから中に放たれた精液をはしたなくだらだら零していた。

 

「で、できない……こわい……おねがい、口でするから……」

 

すみれ色の瞳に涙の膜を張った花京院は、助けを求めるようにわたしを見た。わたしはそれにはかまわず、ズボンのチャックを下げると、猛った自身をそこに擦り付けた。ひ、と怯えた花京院が縋るように後ろの夫を振り返る。しかし、もう一人の夫はにやりと笑うと、挿れやすいように花京院の腿を抱え上げて、すでにペニスを咥え込んだ秘部をわたしに晒してきた。

 

「心配いらねえぜ、花京院……おれのでずっとほぐしてたから、こんなにどろどろになってるじゃあねえか……」

 

いれてもらえ、と承太郎も妻を促す。年若い夫の指が、ぐりぐりと花京院の乳首を潰し、それから伸ばすように引っ張り、先端を引っ掻くと、妻は甲高い声をあげて悶える。真っ赤になった耳に、がんばれ、と囁かれて、花京院は未知の快楽に対する、恐怖と期待の入り混じった複雑な表情を浮かべ、それでも健気にわたしに手を伸ばした。

 

「ぼ、ぼくの……いやらしい、おしりおまんこに……じょうたろうの、おっきいおちんちん、いれてください……」

 

台詞を言ってるうちに興奮したのか、花京院のペニスからはとめどなくとろとろと精液が溢れていた。わたしは妻の痴態にごくりと喉を鳴らし、ゆっくりと腰を進めた。

 

「あ、ぐ……あ、は、はいってきた……!」

 

はくはく、と魚のように大きく口をわななかせつつ、わたしと承太郎にサンドイッチのようにはさまれた花京院は、背を仰け反らせて喘いだ。わたしはいつもよりひどくきつい妻の粘膜に、ぎゅうぎゅう締め上げられながら、奥まで自身を埋め込む。

 

「あ、ひ、ぎ、あ〰〰〰〰っ♡」

 

ずちゅん、といやらしい水音を立てて、わたしのペニスが全て花京院の胎の中に飲み込まれる。その瞬間、ぷしっと鯨が潮を吹くみたいに、花京院のペニスから白濁が何度も弾け飛んだ。

 

「うあっ……すげえ、きっつ……」

 

妻の後ろで、年若い夫が唸るような声をあげた。わたし自身もうねるようにペニスを絞りあげられて、目の眩む快楽に思わず長い溜息を漏らす。

 

「花京院、すまないが、動くぞ……」

 

獣のように絶頂の喜悦に痙攣する花京院の腰を、強く掴んでわたしは奔馬のように駆け出した。あまりの快楽に少しもじっとしていられない。セックスを覚えたてのガキみたいに、わたしは夢中になって腰を振りたくった。

 

「あ〰〰〰〰っ♡あ〰〰〰〰っ♡あっ、あっ♡あぅ♡おしり、きもちいっ♡すごい♡イく、またイく、あ〰〰〰〰っ♡」

 

花京院は我を忘れ、大声で叫び、何度も襲い来る絶頂の波に、体をばたつかせた。彼の背後の承太郎も、わたしに負けじと荒々しく腰を打ち付ける。ぱんぱん、とリズミカルに尻を犯されながら、最奥をこじ開けるように突かれる悦楽と、浅い位置にある前立腺を擦られる快楽を同時に味わわされる花京院は、とろけきった雌の顔を浮かべていた。

 

「んあぁぁあっ♡あは、ひ、ひぎゅっ♡あ゛っ、あ゛っ♡じょうたろの、おちんちん、しゅごい♡ずぽずぽ、きもち、きもちっ♡またイく♡あっ♡イく、おしりでイきます♡あ〰〰〰〰っ♡」

 

わたしがイくときは宣言するように、と以前教え込んだために、花京院は律儀に自らの絶頂を何度も申告した。びくびく、と太腿が引き攣れたように痙攣し、二本のペニスをずっぽりと咥え込んだ後孔が、ぐいぐい締めあげてくる。わたしはその上質な快楽に身を任せ、抗わずに花京院の中で精を吐き出した。

 

「くっ……」

「ふあぁぁあっ♡あっ、あっ♡せーし♡いっぱいでてる……っ♡」

 

もっともっと、と花京院は淫らに腰をくねらせ、わたしたちの精液をねだる。たっぷりと中に出されて、ぐちゃぐちゃになった結合部は、もはや各々の境など見分けがつかないように感じた。

 

「オラ、おれもだすぞ……っ、しっかり、しめろよっ」

 

ずぱん、と激しい音を立てて、承太郎がペニスを突き立てる。花京院は子犬のような鳴き声をあげ、奥に若い遺伝子を注がれるのを体を震わせて受け入れる。二人分のペニスと精液で、花京院の腹はうっすらと膨らんですらいた。

 

「あっ♡あ〰〰〰〰っ♡あ、ふ♡なかだし、ありがとう、ございます……♡」

 

うれしいです、と花京院はうっとりと呟き、広く薄い唇に笑みを浮かべている。剥き出しの粘膜同士を擦り合わせる快楽を、たっぷりと覚えこまされた花京院の後孔は、もう生のペニスで溢れるほど種付けされなければ満足できないのだろう。

 

いやらしく開花した妻に、労わるようにキスを贈ると、くちゅくちゅと舌を絡ませてきた。あまりの可愛らしさに胸を締め付けられ、紅茶色の髪を梳いてやると、わたしの手に妻が頰を擦り寄せてくる。

 

「じょうたろ、すき……」

 

わたしもあいしてる、と返してやり、再びキスをしようとするも、後ろから伸びてきた若い腕が妻の顎を取る。もう一人の夫はやや乱暴に花京院の唇を奪い、見せつけるようにわたしの目の前で、長い間激しいキスを繰り広げた。

 

「あ、あぅ……♡」

 

酸欠でぼうっとする妻に、年若い夫は何度も愛の言葉を囁き、花京院もそれに応えるように甘い声でじょうたろう、とすき、を繰り返した。

わたしは独占欲の強いもう一人の夫にやれやれ、と呟いた後、硬度を取り戻したペニスで再度妻の後孔を容赦なく突き上げながら、自分も大概嫉妬深いのだ、と快楽に霞む脳でぼんやりと思った。


 

おしまい

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