
ぼくが住んでいる島は「承花島」といって、「空条承太郎」と「花京院典明」という二個体しか住んでいない不思議な島だ。
「空条承太郎」と「花京院典明」は番いを作って生活するのだが、その比率が一対一ではないために重婚が認められていて、ぼくは二人の「空条承太郎」と結婚している。
ぼくは今年で27になる「花京院典明」であるが、ぼくの夫の一人は高校三年生で、もう一人はぼくより3つほど年上の海洋学者である。
ジリジリ、とけたたましい音で鳴り響く目覚まし時計を止めようとしてしかし、ぼくの体は高校生の承太郎にしっかりと抱きこまれているせいで、全く動けなかった。
「承太郎っ、重たいぞ、離してくれ」
もう起きなくちゃあ、と年下の夫に対して呼びかけると、彼はんん、とむずがった後に、ぼくの裸の尻に朝勃ちしたペニスを擦りつけてきた。
ぼくはドキリと身をすくめるが、昨日も散々二人分のペニスを咥えこんでいたぼくの後孔は、すぐに高校生の性器にお迎えのキスをし始める。
「ちょ、ちょっと待ってくれ、そんな、朝から、だめだっ、うあ、あっ、あんっ」
身を捩るも叶わず、ずん、と粘膜を掻きわけて年若い夫のペニスが入り込んでくる。
臍につくほど反り返ったそれは、どの角度から挿入しても必ずぼくのいいところに当たるせいで、十も下の彼にぼくは毎回いいように啼かされている。
「あっ、あっ、あ、ひっ、ひんっ、らめ、らめぇっ」
「あ――……すげえ、きもちいい……花京院……」
いまだ夢見心地なまま、しかし腰だけは激しく振りたくりながら、承太郎が恍惚と溜息をつく。
彼はぼくの腕をひとまとめにして拘束し、もう片方の腕でがっしりとぼくの腰を掴むと、パンパンと音を立てながら、後ろから容赦なく突き上げてきた。
「あ、ああっ、それやらぁっ、ぐりぐりするのやらっ、すぐ、イっちゃうからぁっ」
じゅぽっ、じゅぽっ、と結合部からは耳を塞ぎたくなるような、卑猥な水音がひっきりなしに響いている。
承太郎はぼくの言葉だけの抵抗など耳も貸さず、楽しそうに含み笑いしながら腰を打ちつけてきた。
「いや、じゃあねえだろ?ほら、花京院……ちゃあんと、本当はどう思ってるのか、言ってくれよ……」
言わねえとやめちまうぞ、と低い声で囁かれて、ひぐ、とぼくの喉が鳴った。
ぼくがうろたえて後ろを振り向くと、承太郎は意地悪く腰を引いた。
彼の長大なペニスが抜けそうになってしまう。
「あ、あっ、ごめんなさいっ、やめないで、ほ、ほんとはすき……」
ぐい、といやらしく腰を押し付けて、高校生のペニスを飲みこもうとぼくは必死になる。
尻を振り、はしたなく彼を誘う。
「ほんとはっ、じょうたろうの、なまちんぽだいすきですっ、もっと、もっとして、おねがいっ」
はやく、と涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら強請れば、承太郎に優しくキスをされた。
舌と舌とがねっとりと絡み合い、酸素が足りなくて頭がぼうっとする。
粘膜を触れ合わせる官能に、うっとりと酔いしれた瞬間、何の前触れもなくぼくの腹の奥にペニスが深々と突き入れられた。
「〰〰〰〰っ♡♡」
挿入の衝撃にびゅるる、とぼくのペニスから白濁が飛び散る。
そのまま腰を揺すられて、あまりの快楽にぼくは喘いだ。
きもちいい、きもちよすぎて何も考えられない。
ぼくはまだ成人も迎えていない夫のペニスに夢中になり、承太郎の律動に合わせて、恥ずかしげもなく腰を振りたくった。
「あ〰〰〰っ♡あ、あっ、あっ♡しゅごい♡んっ、んっ♡じょうたろの、おくまできてるっ♡きもち、きもちっ♡」
すき、すき、とそれしか言葉を知らないように何度も繰り返せば、承太郎がご褒美にぼくの乳首を思いきり引っ張ってくれる。
木苺みたいにぷっくりと膨らんだ乳首は、承太郎の指に苛められるたびに甘い快楽を生んだ。
「はあ……っ、花京院、すげえかわいい……」
ぼくの痴態に興奮してくれているのか、年若い夫はうっとりと呟き、あふれる若さと衝動のまま激しくぼくを抱いた。
ぼくはそれが嬉しくて、腹の中の彼のペニスをきゅうきゅう締めつける。
そうすると承太郎は気持ちよさそうに低く呻き、はあはあと荒い呼吸を繰り返した。
「花京院っ、オラ、だすぞっ、こぼすなよ……っ」
パンパンパンパン、とぼくの尻を規則正しく犯す承太郎が、スパートをかけてくる。
深く、重い一撃を何度も繰り返されるたび、ぼくのペニスは栓を失ったようにさっきから勝手に精液を零し続けていた。
「うんっ♡だして、なかにだしてっ♡じょうたろうの、ざーめん♡」
腹の中で承太郎のペニスがドクドク脈打ち、震えている。
ぼくに種付けしたくてうずうずしている。
もうすぐ中に出してもらえる、と思った瞬間、ぼくは目の眩むほどの凄まじい絶頂を迎えた。
「あっ、イク、またイク♡イっちゃう♡ひ、ひぐっ、あぁぁぁあ〰〰〰っ♡」
「……っ」
びくびく、と激しく体を震わせ、大きく口を開けて喘ぎながら、ぼくは腹の中に生温かい体液を流し込まれるのを感じた。
下腹のあたりが歓喜にきゅうきゅうと甘く疼く。
承太郎はぼくの首筋に噛みつき、ぼくを逃がさないようにしつつ、精液を擦りこむように、しばらく腰をぐりぐりと押しつけていた。
朝から年下の夫に散々貪られ、ぼろぼろになりながらも、ぼくはのろのろと昨日の夜床に脱ぎ捨てられたままだったパジャマを着た。
三人分の食事の準備をしなければならないのだ。
しかしぼくがキッチンへ向かうと、既にもう一人の夫が朝食の準備を完璧に済ませていた。
「おはよう、花京院」
腹が空いただろう、と優しく頬にキスされて、その甘酸っぱさに胸がきゅうと締めつけられる。
ぼくは3つほど年上の夫の首に腕を回し、ありがとう、と今度はそのぽってりと厚い唇に軽くキスをした。
すると彼がお伺いをたてるように、ぼくの唇を舌でつついてきて、どきりとする。
「……朝から頑張って食事を作ったわたしに、ご褒美をくれないか?」
するりと彼の大きな手がぼくの腰のラインを辿り、それから確かめるように尻を撫でて、またはしたなく体が疼く。
だめ、と小さく抵抗してみるも、承太郎はいとも簡単にぼくのパジャマと下着を脱がしてしまった。
「さっき、寝室であいつに抱かれていたんだろう?」
君の可愛い声がここまで聞こえていたぞ、と囁かれて、頬がかあっと熱くなる。
同時にきゅうと疼いた後孔から、どぷり、と先ほど大量に放たれた精液が零れてきた。
「だ、だめ……シャワー、浴びてないから……」
はずかしい、と彼の胸を弱弱しく押しても、承太郎はそっと微笑んだままだ。
彼はぼくの首筋に顔を埋め、先ほどもう一人の承太郎につけられた噛み痕をぺろぺろと舐めた。
「わたしは、あいつに愛されたばかりの君でもかまわない……」
今度はわたしでいっぱいにしてやる、と彼はぼくの体を軽々と担いでしまう。
バランスを失い、ぼくが慌てて彼の背中にしがみつくと、承太郎は楽しそうにくすくす笑った。
「落ちるなよ」
まさか、と思った瞬間、彼の猛ったペニスの上に体を落とされる。
ああ、とぼくは悲鳴を上げ、コアラみたいに必死に承太郎に抱きついた。
「あっ、あっ……ふ、ふかい……っ、あ、ひ、ひぎっ……」
ゆさゆさ、と揺さぶられるたび、ひっきりなしに甲高い声が漏れた。
深々とペニスを突き入れられ、あまりの快楽に視界がぐらぐら揺れる。
しかし年齢を重ねた分、彼の抱き方は繊細で優しい。
先ほど絶頂を迎えたばかりの敏感な体は、いともたやすく火が点き、上質な喜悦を求めてはしたなく疼いた。
「ほら、花京院……ここ、さっきから、すごくいやらしい音が、してるな……」
聞こえるか、と耳元に息を吹きかけられ、びくりと後孔が締まる。
瞬間、二人分の精液が入り混じった液体が、どろりと尻を伝った。
「あ、いや……っ、だめ、はずかしい……」
ずぷ、じゅぷ、ぬちゅ、とおよそキッチンには似つかわしくない、卑猥な音が響いている。
承太郎は羞恥に震えるぼくを、ねっとりと視線でも犯していく。
「なぜ?恥ずかしがる必要はない……いやらしい君は最高に素敵だ」
耳を甘噛みされ、ぞくぞくと背筋が震える。
彼の性器が奥まで入り込んでくる。ぴったりと粘膜と粘膜が合わさる快感。
ぼくの体の欠けた部分を、たっぷりと満たされる幸福。
はあ、と熱い息を吐いて、ぼくは背中をのけぞらせた。
「ああ、じょうたろ、あ……すごい、きみの、ぼくのなかで、びくびくして……」
下腹のあたりから快楽のうねりが広がっていく。
海に浮かんでいるみたいに、二人でゆらゆらと淫らなダンスを踊る。
ひたすらに心地よくて、ぼくは彼の動きに合わせて腰をくねらせる。
長大なペニスが何度もぼくの体の内側を擦り、気持ち良くて泣きそうになる。
もっと、と強請れば、狙ったように彼のペニスがぼくの快楽の根源となっている器官を叩き、ぼくは巨大な快楽の波に身を任せて絶頂を迎えた。
「は、あ、あぁぁ〰〰〰〰っ♡」
「くっ……」
びくびく、とぼくのペニスから放たれた白濁が、彼の腹を汚すのと同時に、ぼくの体の奥で熱が弾ける。
そのあたたかさが心地よくて、ぼくは瞳を閉じてワインを確かめるソムリエみたいに、しっかりと中に出された感覚を味わう。
じわじわと広がる彼の遺伝子を、一滴も零すまい、とぼくの後孔がぎゅうぎゅう奥へ奥へと飲みこんでいく。
「あ、あ……」
絶頂の余韻に酔いしれながら、くったりと彼の肩に頭を預けると、くしゃくしゃと髪を撫でられた。
気持ち良かったか、と問われて素直にこくりと頷く。
「……あいつとどっちが良かった?」
悪戯好きな少年の顔で、年上の夫がそう尋ねる。
選べないよ、とぼくが答えると、彼は満足げに笑った。
おしまい